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アホな仕事と日常を激しく考察する痛快(主に尻)ブログ

ジロリアンの洗礼を受けたあの日

 ある日、朝目覚めて布団から起きあがろうとしたとき尻に激痛が走った。「痛っっっっっっっっっっっっった!!!!!なんじゃこれ!!」四つん這いから瞬間的に動けなくなり、うつ伏せに倒れ込んだ。枕を抱え、未知の痛みに悶絶する私の様子を隣の部屋から見に来た5歳の娘が、指さしてけらけらと笑っている。いつもなら「何見とるんや!おのれに痛いの痛いのfar awayするでぇ!」と冗談を言えるのだが、そんな余裕はひたすら無い。笑う娘をよそに、鋭い痛みと鈍い痛みが混じり合う苛烈な痛みに顔をゆがめ、ひたすらこの正体不明の痛みが引くことを願いながら唸っていた。うん、般若心経唱えてたと思う。  ・・おかしい、自分の尻に何かが起きている。黄門様が噴火していらっしゃる。人生30数年生きてきて今まで経験したことのない感覚、そして人知を超越した痛み。

俺は確信した。

これはなんかおきとるで!!!!! (当たり前)

何が起きているのか

 クッションホールド状態から30分ほど悶絶したのち少し落ち着いてきたので、とにかく一度トイレに・・・と立ち上がり、フラフラと壁を伝って便器の元へ向かった。泌尿器全体がやられたのかと心配したが、なんとか小は出るようだ。少し落ち着きを取り戻し、痛みの元凶である肛門付近に恐る恐る手をやると、肛門付近に鎮座する謎の物体の存在に気がつく。

「・・なんじゃこれ・・豆?」。

肛門周囲に袋状の何かができている。ぷっくり膨れているような何かがそこに存在していることがわかる。こんなもんあっただろうか?そっと、指の腹で「豆のようなもの」に触れてみると、激痛が脳天を突き抜けた。

あかーーーーーーーーーーーーん!!

便器に座りながら前屈みに悶絶し、再び顔が苦痛で歪んだ。普段から見れた顔ではないが、この時ばかりは一瞬で50年ほど老化した感じだっただろう。原因はわからんが、どうやらこの「ケツに存在する謎の豆」が悪さをしているらしいことはよくわかった。

そもそもこの日はカミさんの両親が田舎から出てきて横浜を案内する算段になっていた。我々はこれから外出の予定があるのだ。中華街で美味しい小籠包とあんかけ焼きそばを食べたいのである。ふっくらとした大きな豚まんを頬張りながら、甘栗売りを冷やかしたいのだ。ところが、尻がこんな体たらくである。腫れぼったい黄門様とお豆様のこの痛みをどうして取り除くことができるだろうか。素人考えが頭を巡る。

「せや、ウォシュレットで暖めたら少しは痛みも引くやろ」

そう考えたのが運の尽きだった。確認をしなかった私も悪い。やにわにボタンを押下しノズルの先から放出された暖かい湯は、カミさん好みのMAX高圧洗浄モード。黄門様に謎の豆を装備したこの男を極上の痛みで瞬殺しトイレの床へと沈めることに成功した。きっとこの時の叫びは家から遠く1km離れた場所を歩いていた、お義母様ですらも気付いたことでしょう。

そう、この時はまだ自分が崇高なるジロリアン、「痔瘻の患者」であるという自覚などまったくなかったのだ。

痔・END

補足 この日は土日で病院で診察も受けられなかったため痛み止めのロキソニンを飲んで過ごしました。仕事の関係で休めず結局受診まで2週間近くロキソニンを飲み続ける生活をして誤魔化し誤魔化し凌いでいました。